こんにちは、採用広報の市村です。10月12日公開のGunosy2019年5月期第1四半期決算では、売上⾼は37.0億円と、12四半期連続で過去最⾼を更新していることが発表されました。中でも、子会社であるゲームエイトの売上、営業利益が継続して過去最⾼益を更新し、収益の多角化に大きく貢献しています。

今回は、ゲームエイト代表取締役 西尾さんにお話を伺いました。ぜひご覧ください。
西尾 健太郎/Kentaro Nishio
株式会社ゲームエイト 代表取締役/Gunosy 執行役員 メディア事業本部 Web事業担当
首都大学東京在学中に株式会社Labit共同創業、2013年代表取締役就任。リクルートホールディングス子会社に事業を譲渡後、ゲームエイト創業し代表取締役に就任。2015年当社からのM&Aを経てGunosy入社。2018年9月より執行役員メディア事業本部、Web事業担当。
予期せず訪れた「起業家」としての第一歩
‐どのような学生時代を過ごされていたのでしょうか。
とにかく昔から、インターネットに魅了されていました。中学生の頃から独学でHPを作り始めて、当時興味のあった領域でサイトを作成したら月約300万PVまで成長したんです。そこに広告を張ってお小遣いを稼ぎ、溜まったお金で新しいPCやソフトを購入しては色々試して…というような中高生でした。
それから、大学在学中に友人と株式会社Labitを共同創業したことが「起業家」としての第一歩。大学生向けに「すごい時間割」というアプリを開発・運営する事業で、元Gunosy CTOの松本さんもメンバーのうちの一人でした。創業メンバーとしてジョインし、始めはWebデザイン等を主に担っていましたが、紆余曲折を経て2年後には僕が代表に就任することに。当時ユーザーは累計約20万人で、アプリに登録された講義データは約110万件以上。代表に就任してからは、開発メンバーが足りていなかったこともあり、0からエンジニアリングを独学で勉強して、サーバ、インフラ、フロントエンド等、全て担当していました。創業から3年目の2014年に事業譲渡することになるのですが、そういったリソースが限られている状況を踏まえ、「ユーザーや今後のグロースのために今の運用体制は適切なのか?」と、検討した結果の判断でした。それから次の新規事業に挑戦しようと立ち上げたのが、今のゲームエイト社です。ゲームエイトでの開発についても、アドバイス頂ける外部の方や手伝ってくれるインターン生もいましたが、確か1億PVくらいまでは、ほとんど僕が一人で担当していたと思います。
-なぜゲームだったんですか?
当時はスマホの普及により、圧倒的にスマホのWebメディアの伸びしろがありましたし、その土壌にまだチャンスがあったという端的な理由です。それに僕は昔からゲームが大好きで。詳しい領域で勝負したほうが事業の成功角度は上がると思うので、それらを踏まえて、主戦場としてゲーム事業を選びました。
–ゲーム攻略メディア「Game8」の運用スタートから約1年4ヶ月、月間1000万UUを突破し、既に単月黒字の状態の中Gunosyの傘下に入ったのはどのような理由からですか?
両社の意向については公開情報の通りですが、僕は率直に新たな可能性が生まれそうだと感じていました。Labitで一緒に働いていた元CTOの松本さんはもちろん、福島さんや関さんとも面識があり、彼らを含めたGunosyの優秀なメンバーと共に、新規事業や更なる機能開発に挑戦できるのは非常にエキサイティングであると。また、ゲームエイトはマネジメント層含めた採用強化や、ビジネス側メンバーの教育体制を整えたいという考えもあったので、その辺りを連携し合えるようになるという大きなメリットもありました。
ゲームエイトは設立当時から渋谷にオフィスを構えており、グループ化後もGunosyとは拠点が分かれております。本社と連携しつつも経営の独立性を尊重してもらえているので、ゲームエイトとしての意思決定や組織運営、採用など含めスピード感をもって事業推進することができています。
-そのような経営体制が功を奏し、現在「Game8」は月間2億3千万PV、1,800万UUを突破し(2018年3月時点)、全社の売上も好調で、Gunosyを支える重要な事業の一つに成長しています。展開事業について聞かせてください。
はい。現在3つの柱があります。1つは創業時から行っているゲーム攻略サイトの「Game8」。2つ目は、今後より注力していきたいと考えているゲームクライアントに対するソリューション事業。ゲーム会社は、プロモーション後に一定の攻略情報や連携コンテンツを必要とします。なぜなら、ユーザーが途中でつまったときに課題解決をし、成功体験を得るという過程が、彼らの満足度を高める傾向にあるからです。ですので、僕らが攻略サイト事業で培った知見を活かして、ゲーム企業クライアントとコンテンツを作成しています。3つ目はYouTube事業、それに伴うキャスティング代理事業です。ゲームプレイヤーはテキストに限らず動画でも研究しているので、その一つとして始めたのがきっかけです。動画チャンネルを頑張りたいという攻略サイトライターのアルバイトメンバーがいたので、「YouTuberになってみれば」と言ってみたら見事に転身!彼女のメインチャンネルの登録者数は42万人を突破しました。今では社内に撮影スタジオも完備しています。
※ゲームエイト所属Youtuberもえりんに関するメディア掲載はこちらから
-代表の西尾さん自ら先陣を切って、採用活動の旗振りをしているとのことですが。
まず前提として、今ゲームエイトでは約100名ほどのメンバーが働いてくれていますが、大半がアルバイトと契約社員です。ありがたいことに今は変動があるものの月平均100名程の応募があって、そこから採用しているのは時期によって増減しますが平均2名くらい。みんな本当にゲームを愛していて、「大好きなことを仕事にできるなんて!!」とゲームエイトで働くことに喜びを感じてくれています。わざわざ九州から上京してきたり、他社で正社員の道を蹴って入社してくれた人もいます。会社や事業を好きなメンバーばかりで、「どうしたら事業が成長するか?」と、真剣に考えてくれています。僕はそれに対して、彼らを成長させることで報いていきたい。もちろんその対価としての報酬も。メンバーには、ゲームエイトに入って良かった、ここで最も成長できたと思ってもらいたいんです。そうなると、育ててくれる人が必要です。皆を高みに引き上げてくれる、僕の考えに共感してくれる方と一緒に働きたい。ですので、今はそのような幹部クラスの採用に自らコミットしています。
-採用はどうしているのですか?
幹部採用は、普通に転職サイトのスカウトサービスを利用していて、1通1通、自分で内容を考えてお送りしてます。そこでお声がけした方に、ちょうど9月にCOOとしてご入社いただきました。
-ご自身で文面も考えられているんですか?
はい。採用担当がスカウトを送って幹部が候補者と会うというのが一般的だとは思いますが、それだと微妙に温度感が違う気がして。僕はその方のご経歴をみて、人となりや現職の課題、今後のキャリア等、とことん想像しながらメールをお送りしています。反応があったらすぐに返信して、自ら足を運びます。現COOは、ある上場企業のCOOとしてもオファーがあり迷っていましたが、ぜひご入社してほしい素敵な方だったので、諦めずにアプローチしました。2週間で7回はお会いしたんじゃないかな(笑)。
-代表自らそこまで採用にコミットされている方って少ないのではないかと思います!
そうかもしれません。幹部採用なので、一心同体となれる人を自分で見つけたくて。面接も一方通行ではなく、相互理解を深めるために、僕らの会社で困っていることを共有したり、現職の話を伺ったり、本音で話ができるように心がけています。中には、転職したいというより、ビジネスとして面白そうだとお会いしていただける方もいるので、今後、事業でご一緒できる機会もあるかもしれないと思っています。そういった点で、採用活動は純粋に色々と勉強させてもらえている感覚です。
-それも全ては、メンバーの育成という目的に行き着くんですよね。これまであまり受けてこなかったメディア露出を徐々に解禁され始めていることにも何か理由があるのでしょうか?
経営者や事業の性質、フェーズによって考え方は様々だとは思いますが、僕は身の丈に合わない風呂敷の広げ方はしないというモットーなので、中身が伴うまで広報活動を控えてきましたが、今は情報発信できるまでに充実してきたので、露出を増やしていきたいと思っています。加えて、インナーブランディングを浸透させたいという狙いもあります。少人数だった頃と比べて、やはり100人規模になってくると意識的に社内コミュニケーションをとる必要が出てきます。これからはメディア露出を通じて、ゲームエイトで働く全てのメンバーに、僕の考えや会社の方針、自分たちが提供している価値をより正しく伝えていきたい。本当は写真を撮られるのも少し苦手なんですが(笑)、そういった理由から今後メディア露出を増やしていく方針です。
期待を裏切らず信用をためていく
-現在起業を志す若者も多いと思いますが、西尾さんはそもそも経営者になろうと思っていた訳ではないですよね?ご自身の経営者としての成長に、どのような「経験」が活きていると思いますか?
そうですね。「起業しよう」なんて、始めは全く考えていませんでした。インターネットが大好きなので、Googleに入社できたらいいなと思っていました。Labitのときは、サービス成長のために、創業メンバーとしての責任感もあったので代表になりましたが、お話した通り元々はWebデザイナーだったので(笑)。そうやって試行錯誤しながら切り開いてきた人生の様々なフェーズの中で、様々な方々にお会いできたことが影響している気がします。Gunosyの傘下に入ったとき、当時CEOだった福島さんをはじめとした優秀な経営陣の意思決定を間近でみて学べるということを非常に魅力的に感じていたのですが、そんな経営陣にくらいついてここまできたので、必然的に、経営者として多少レベルアップした今の自分がいるのではないかと思います。
-持ち合わせていたこんな「資質」が実は経営者として会社を運営する上で効いていた、ということは?
結果的にですが、ストレス耐性が高く鈍感力もあったという点でしょうか。社長業をしていると、本当に矢継ぎ早に色んな問題が発生して、心が折れそうになる出来事が何度もあります。そんな時、論理的に考えて、解決できるプロセスや着地点が見えているのであればそれを実行するまでですが、そうでないことは「気にしすぎない」というのは大事かなと。そういった点で、途中で心が折れて逃げ出すことも、諦めることもなくここまでやってこれたのだと思います。
GunosyとのM&A後も、当然順調なことばかりではありませんでしたが、その中で僕は責任をもってやってきたと自負しています。今後も皆さんの信頼を裏切らないよう、これからも成果で報いていくつもりです。僕が今後どのような人生を歩むかわからないですが、何か挑戦したいと思ったときに周囲から応援してもらえるような人間でありたいと思っています。
-最後に、今後の展望をお聞かせください
ビジョナリーな部分でいうと、基本は現在のゲーム事業を拡大させていきますが、ゆくゆくはゲームではないところでも挑戦していきたいとぼんやり考えています。ゲームエイトに入社してくれたメンバーに対しては、成長機会を提供して彼らを幸せにしようと努力できます。一方、「ゲームエイトに入社したい!」と多くの応募をいただく中でご縁に繋がらなかった方もいるので、そういった方に対しても、何か価値を提供できるよう多角的に事業展開できたらいいなと。いま働いているメンバーに対しても、彼らが別の事業にも挑戦したいと思ったときに、それを自社内で叶えられるような土壌を整えていきたいと考えています。
以上で今回のGunosiruは終了です。
ゲームエイトでは、一緒に働く仲間を募集しています。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクからご応募ください。お待ちしております!